【日本刺繍の道具紹介】針

日本刺繍

日本刺繍の道具

こんにちは!日本刺繍風花の西野ふう香です。

これから何回かに分けて、日本刺繍の道具を紹介していきたいと思います。

昔からある道具なので、どれも作りはシンプルですが、長持ちするものばかり。

ほとんどが一生物です😊

機械針と手打針

刺繍をする上で、欠かせない相棒がこの針。

針には、手打ちの針と、機械で作った針がありますが、使いやすいのは圧倒的に手打針です。

ただ、お値段もだいぶ違う…

日本刺繍を始める方は、最初にいろいろと道具を揃えなければならないので、費用を抑えるために、「機械針使ってみようかな…」とおっしゃる事があります。

でも試しに使ってみると、ひと針で「先生、手打針にします!」と。

それだけ使用感が違うのですね。

手打の針は、生地をすっと通ります。

機械針は、ぼすっと引っかかる感じ…それをヤスリなどで削って、使いやすいように自分で加工するのだそうですが、細い針を削るのって難しいです。

なので私は、少々値が張っても手打針をお勧めしています。

丸めどと平めど

手打針は、大きく分けて2種類あります。

画像が見づらいですが、左の針穴の下の平たい部分が狭いのが丸めど、右の広いのが平めどです。

丸めどは、縒り糸を縫う時、平めどは、縒りのかかっていない平糸を縫う時に使います。

縒り糸は、糸が潰れないように、生地に丸い穴を開けてくれる丸めどの針が適しています。

平糸は、薄く均一に糸の繊維を渡したいので、平べったい穴が開く平めどの針がいいのです。

また、縫う糸の太さに合わせて、針の太さも変える必要があります。

なので、丸めど・平めど、それぞれ2〜3本ずつ持つ事になります。

機械針も使います

先程、機械針は使いにくい、というお話をしましたが、機械針を使う場合もあります。

例えば「糸八」と呼ばれる細い針。

ぞべ糸などの細い糸を縫う時に使用します。

これだけ細いと、引っかかる感じもしませんし、細い針は曲がったり折れたりしやすいので、機械針で充分使えます。

あとは、生地を刺繍台に張る時に使うふとん針も、機械針です。

これは手芸屋さんでも普通に買えますが、長くて太い針です。

手打針は存続の危機⁉️

これまで散々手打針をお勧めしてきましたが、ここで残念なお知らせがあります。

手打ちの刺繍針、本当に手に入りにくくなっています。

お値段も、昔に比べて上がっていますが、お値段以前に、売っていない、見つからない、という状況…

大手の日本刺繍教室でも、手打針が手に入らないので、近年新しく入会された方には機械針を加工したものを提供しているのだとか。

しかし最近、いいニュースを聞きました。

数少ない刺繍針屋さんの息子さんが、跡を継いでくれる事になったとか😊

これで当面はひと安心…と、お一人跡を継ぐ方がいるかいないかが、針の供給を左右する状況なのです😓

今、手打針をお持ちの方、本当に大事にして下さい。

そして、使わない手打針をお持ちの方、どうか必要な方にお譲り下さいますように…

今はメルカリなど、個人で売買できる仕組みがあります。

多少サビていても大丈夫です。紙ヤスリで落とせます。

どうか、貴重な針を、捨ててしまう事がありませんように…🙏

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